10月 102016
 

2016 10 10 05

県道40号で青森環状バイパスに出て、まずは念のために給油した後、国道280号経由で県道26号に入った。
何のことはない、油川と五所川原を結ぶ主要県道だが、これが大当たりだった。

青森市街からほど近いとは思えない草木ボーボーの山中路。中央線はあるにはあるが、ほとんど消えかかっている。
その津軽半島の背骨を越える峠道は、次から次へと迫りくるコーナーで挑発してくる。
迎え撃たんばかりに、すっかり戦闘モード。名もなき忘れ去られたワインディングに、F20Cのレーシングサウンドが響き渡る!

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適度にストレートとコーナーが織り交ぜられたコースは最高だった。(楽しみ過ぎて、写真はほとんど無し)

距離もそこそこあるし、すっかり自分の世界に入り込んで、走りを楽しんでしまった。
今日は朝から十和田湖のワインディングを楽しんだばかりなのに、昼にはまた主食級のワインディング。
東北は素晴らしいですなぁ。

金木で国道339号に出て、北上。
急にバスやらトラックやらと隊列を組むことになったが、ここは仕方がない。
走りはいったん休憩だが、この道は景色が素晴らしい。

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黄金色に輝く、視界いっぱいの平原。
青森と米作は、あまりイコールで繋がるイメージはないのだが、岩木山と津軽半島エリアには広大な稲作地帯が広がっているのだ。
そのスケールたるや凄まじい。庄内平野や八郎潟に匹敵する景観が、ドライブしながら楽しめる。

十三湖を通過して小泊。道の駅を通過したら、いよいよ竜泊ライン。龍飛崎へと続く極上ワインディングの始まりだ。
ただ、さすがに連休中日の昼下がりとあって、クルマもバイクもこの上なく多い。残念ながらとてもマトモに走れそうにない。所々に現れる駐車帯でタイミングを見計らってアタック。

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竜泊ラインの魅力は何と言っても、最果ての風情漂うシーサイドワインディングから、突如として山岳ワインディングに豹変するダイナミックなコースアレンジにある。
小泊から北上すると、前半は日本海を横目に海岸線を辿っていくが、後半は完全なる山岳路。ヘアピンカーブを重ねてガンガンと高度を上げて、終盤は尾根沿いをタイトコーナーの連続で一気に岬へと詰めていく。

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これが1台たりとも他車のいない状況で走り切れれば、どんなに楽しいことか。
未だかつてそういった経験は一度もないが、それだけを目的にして訪れても後悔しないだけの魅力が、竜泊ラインにはある。
ひとつのコースにまったく異なった景観とコーナーのバリエーションが、これほど明確に性格を変えて展開する、そんなコースがあるだろうか。

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津軽半島先端の自然地形に身を委ねて、ダイナミックに展開するワインディングに酔い痴れながら、一気に詰めていく。
朝に続くガチンコのワインディングドライブ。朝練に飽き足らない「昼練」となったのは必然である。 

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龍飛崎の灯台には寄らず、ワインディングを駆け抜けたそのままの勢いで、龍飛漁港に下りてきた。
北の果ての漁港には、独特の風情がある。生活と生業の情景は、何も語られずとも心に染みるものがある。

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龍飛漁港のもうひとつの目玉は、あの「階段国道」だ。
上の写真で、左側から来る道路が国道339号。そのR339は何と、正面のカラー舗装の道に左折し、集落の中に入っていく。

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民家と民家の間のこんな道が、何と国道という事実。クルマでは通行できない国道という、衝撃的な光景。

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そして有名なこの絵。
階段は結構な段数で続いて、龍飛崎の道の駅、灯台手前の高台まで続いている。

階段国道の由来は、国道指定の際、現地を確認しないで指定してしまったという人為的ミスであるという説が有力だ。
現在、というか随分前から迂回路があるので、そちらを国道に変更してしまってもいいはずなのだが、それでもまだこの階段がR339のままということは、国道が自ら観光資源に一役買っているということだろう。

そういえば、漁港でR339が集落に入っていく所の写真。
以前はここのカラー舗装の横に、おにぎり標識が立っていたような・・・ 有名になりすぎて取り外してしまったのだろうか。。。

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龍飛崎でひとしきり時間を過ごし、この先どうしようかと悩んだ挙句、R339を再び舞い戻ることにした。
この日の停泊地は、弘前か青森かで迷ったが、思いのほか時間があるのと、まだまだ走りたいという気持ちが勝ったので、もっと先まで走ってしまうことにしたのだ。

竜泊ラインを今度は南下する方角で走りを楽しむ。
山岳区間は前を行くクルマが道を譲ってくれたのでスイスイと走ることができたが、眺瞰台から先はバイクの集団に先を抑えられてしまった。
小泊までは我慢の展開。小泊の道の駅の前には、気持ち良さそうなオートキャンプ場があった。今度来る時は、ここをベースにして思いっ切り竜泊ラインを走るのもいいかもしれない。

小泊を過ぎてR339から県道12号にスイッチし、すぐにいつもの広域農道に入った。
これを鰺ヶ沢まで一気に走り、国道101号へ。

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ここからは日本海と白神山地に挟まれた一本道。
JR五能線と並行するこのルート、鰺ヶ沢〜能代間およそ100kmを、ただひたすら日本海の風景を眺めながら走ることになる。 

夕方ともなれば、交通量も多い。
深浦をはじめとして、意外と集落の多いこのルート。それなりに味のあるドライビングルートなのだが、大抵の区間で前を走るクルマを追いかける形になるので、ちと飽きが来る。

ただ、本日は狙いがある。
この時間であれば能代に着くまでに、夕陽が日本海に落ちる瞬間を見ながらのドライブになるはずで、そのためにこのルートを選択したようなもの。
果たしてその目論見は・・・

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半分当たり。半分外れ。
ちょっと雲が多くて、水平線に落ちる陽は望めなかった。

ただ、この連休は全国的に雨模様だったのだ。その中で、本州では唯一、津軽半島付近だけ晴れ間が覗く予報だった。
予報通りに津軽半島は好天に恵まれ、また夕陽が海原に吸い込まれていく風景も楽しむことができている。
ツーリングの作戦的には、間違いのないルート選択だったと言っていいだろう。 

2016 10 10 18

周囲はどんどん暗くなっていく。能代はまだまだ先。100kmの単一ルートは伊達じゃない。
八森を走っている途中で、背後の空が真っ赤に染まっていることに気が付いた。
咄嗟に道端に見つけた展望台らしき駐車帯にエスを滑り込ませる。

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陽が落ちた直後に見られる、真っ赤に燃える空。北東北に別れを告げる絶景となった。

八森から県道63号。R101をバイパスして秋田道能代東ICに到達するルートで初めて走ったが、これが罪悪感を覚えるほどの超高速ショートカット路だった。
あっという間にインターチェンジに到達して秋田道に入線。秋田北ICまでの約60kmを走破して秋田市街へ。

竜泊ラインを往復した後の小泊にて、秋田駅前のビジネスホテルを予約していたのだが、なぜかこの日は駅前に近付くにつれて大勢の人集り。
後で知ったのだが、この日は市街地で花火大会があったらしく、中心部は大規模な交通規制が敷かれていて、なかなかホテルにたどり着けなかった。
渋滞にお付き合いしながらようやくチェックインし、千秋公園近くの居酒屋で腹を満たして本日の行程は終わり。就寝。

・・・・・・・

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翌朝。昨日の花火大会の余韻からか、まだ眠っている秋田市街を通過し、国道7号を南下。岩城ICから日東道に入り、開通している象潟ICまでショートカット。
象潟ICは鳥海ブルーラインの入り口に位置するという素晴らしいポジショニングなので、遠慮なく鳥海山のワインディングへ。

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ところが、ここまで持ってくれた天気が耐え切れず、山頂に着く前からポタポタと雨粒が落ちてきた。
途中でルーフを閉じた後は、クローズドのまま山頂を通過し山形側の麓へ。

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走りは情熱的?で熱いものだったが、天候は悪化の方向へ向かって進んでいる気配だったので、そのまま鳥海ブルーラインは後にすることにした。
鳥海ブルーラインは、天気のいい日に走れたことがほとんどない。日本海に面してほぼ垂直に切り立っているかのような斜面に位置するから、仕方がないのかもしれないが。

遊佐から先は淡々と。
酒田と鶴岡は高速でパス。村上へは、前を走っている観光バスが国道7号を直進したので、反射的に国道345号笹川流れへ。
村上からは再び日東道という、道東ツーリング初日の逆方向ルートを辿った。

時間も早く、新潟市街通過時点でまだ昼前ということもあり、最終日は余裕を持ってこのまま平和に帰還、、のつもりだったが、関越道藤岡JCTでまさかの事故渋滞。
絶望的な所要通過時間が示されていたので、高崎から上里まで下道を経由した。
結果としてはその時間が余計で、結局連休最終日の高速渋滞に、ちょっとだけお付き合いする羽目に。あんまりキレイな終わり方にならなかった。(思えば、前に弘前からこのルートで帰った時も、関越トンネル通行止で酷い目に遭ったような・・)

・・・・・・・

そんなこんなで、9月の北東北ツーリングは終了。
思い返せば、どこか印象的な場所に行ったというより、思いっ切り走ったなぁという印象が強いツーリングだった。
それはまるで、朝練の遠征をしてきたような感じだった。わざわざ北東北に行ってこれをやる、っていうのがいい。

ご機嫌斜めな空模様が続く秋空の間隙を付いた北東北ツーリング2016。
タイヤのラバーをしっかりと擦りつけた余韻が今も身体に染み渡っているほど、中身の濃いツーリングに大満足、なのであった。

2016 10 10 24

 Posted by at 10:58 PM
10月 102016
 

2016 10 10 01

今週末は連休でしたが、クルマでは出掛けませんでした。

最終日の本日だけ晴れる予報でしたが、フタを開けてみたら曇り空。
もともとメンテナンスでもしてゆっくり過ごそうと考えてたので、久しぶりに愛人(GT)にじっくり入浴(洗車)していただきました。
無風の曇り空、暑くも寒くもない気温、全くもってして露天風呂(洗車)日和です。

さらには、エスの内装クリーニングも。
オープンカーは、内装汚れと紫外線による劣化との闘い。特に、幌の裏側とロールバーの樹脂部分に汚れがこってり溜まります。
また樹脂部分は、強烈な紫外線攻撃に耐えうるよう、ケミカルで保護。
なかなか骨の折れる作業ですが、オープンドライブの快感のためなら仕方ないですね。

 Posted by at 4:03 PM
10月 092016
 

2016 10 08 01

八幡平で走りを楽しんだ後、鹿角の先の小坂で投宿。
翌朝、県道2号「樹海ライン」で十和田湖方面へと走り出す。
昨日の八幡平「樹海ライン」と同名だが、 こっちは十和田大館「樹海ライン」。場所も近いので紛らわしい。

この道、実は道東ツーリングの初日、八戸に向かう途中にも走っているのだが、今回は霧に阻まれることなく発荷峠まで。外輪山越えて十和田湖入り。
抱返りでどっちに行こうかしばし悩んだ末、反時計回りに周遊することに。

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早朝の十和田湖畔はまだ静かで、人もクルマもまばら。
奥入瀬渓流入口の子ノ口まで国道103号を流して、そのまま今度は国道102号に突入。
静かな湖畔の道が、ここからはハードなワインディングに変貌する。

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コース幅は徐々に狭くなり、断崖を登る低速コーナー主体の道に姿を変えていく。
時折現れる水たまりに注意しながらアクセルを踏み、朝イチの運動を楽しむ。

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奥入瀬バイパスの分岐を過ぎたら、森の中の平坦な道に様変わりする。
平坦と言っても、適度なコーナーが連続して、ドライブに飽きることがない。
1.5車線の道幅は十分とはいえないかもしれないが、通るクルマは皆無に等しいので、問題はない。
湖畔を走る十和田湖南側とは対象的に、林間を走る北側は観光スポットからは完全に外れている分、走りを楽しむには絶好の区間なのだ。

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十和田湖北側のワインディングの途中には、中間点付近に御鼻部山の展望台があるだけ。
逆光になるので展望台には登らず、十和田湖ではなくS2000を眺めて楽しむ。

それまで咆哮を上げていたエンジンの火を落とすと、辺りは静寂に包まれる。
日常から遠く離れた場所までやってきたことを、実感する瞬間。

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しばし静寂の時を楽しんだ後、再び周遊開始。
国道454号に合流すると、高度を下げて再び湖畔に戻ってくる。

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発荷峠へ登る国道103号分岐の抱返り交差点に戻ってきて、2周目(笑
最初の周回では、うっかり宇樽部のトンネルでショートカットしてしまった区間を、今度は注意して旧道に入り込む。
落ち葉の堆積した旧道の路面はラインが制限されるけれど、ドライブを楽しむなら断然コッチだろう。

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途中には、湖に突き出す中山半島を高台から眺めることができる展望台が健在だ。
雲に覆われていると思っていた空は、いつの間にか湖の上は雲が開いて青空が広がっていた。

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R103で子ノ口まで来ていよいよ奥入瀬?、いやいや、ここはやっぱりさっきと同じく直進だ。
一般的に言えば、奥入瀬渓流沿いのR102に進むのが王道かもしれない(実際に、渓流水面とほぼ同じ高さの路面を走る奥入瀬川沿いの区間は、他に類を見ない景観のドライビングルートだ)が、本日は(も)走りを楽しみたい気分なのだ。
ましてや早朝の交通量の少ない時間帯。これを逃す手はない。

果たして2本目のR102子ノ口以北のヒルクライム。
昨日は放課後練習だったが、この日はいつもの「朝練」出張版だ。
何かタイヤに恨みでもあるかのようにトレッド面を路面に擦りつけながら、急坂を駆け上がっていく。(昨日のパンクのことなんか、すっかり忘れている(笑)

登り切ったところで、久しぶりに奥入瀬バイパスに入ってみた。
奥入瀬渓流区間をショートカットする山岳バイパスは、道幅も広く快走できるが、味わいは少ない。
本道に合流して、ホテルやビジターセンターが集まる焼山でR103にスイッチ。

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八甲田山中を走り青森市街に向かうこの区間は「ゴールドライン」と呼ばれ、特に紅葉時期は金色に輝く林間を走ることになり、非常に素晴らしい。
加えて想像する以上にワインディング度が高く、森の中の穏やかな道と思っていると、激しいアップダウンとタイトコーナーの連続に驚嘆することになる。

八甲田と十和田を結ぶ観光ルートなのでいつもクルマは多いが、意外性という意味で、このエリアでは結構好きなコースである。

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これまた大好きな谷地温泉で朝風呂(早い時間から日帰り入浴ができる)とも考えたが、せっかくの朝の時間、走り続けることを選択。
傘松峠は1000m級の峠越えで、周囲の景観も変わって空気もひんやり。

何かの大会でもやっているのだろうか、やたら自転車とすれ違った。
2車線ながらタイトなコーナーも多い区間である。特に競技中や練習中の自転車はあまり周囲を見てくれないので、注意が必要だ。

酸ヶ湯温泉を通過。既に駐車場は、離れた駐車場も含めて満杯。
今日は連休中日である。さすがに道も混んできた。

八甲田ロープウェーを通過したら、県道40号にスイッチ。
雪中行軍遭難者銅像のある「銅像茶屋」にてしばし休憩することに。

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銅像茶屋の味噌おでん500円。ありえないボリューム(笑 

この後は田代平高原に向かい、八甲田山を周遊しようという青写真を描いていた。
しかし、想定以上にクルマもバイクも多くなり、裏道的なK40さえも気持ち良く走ることは叶わなそうだった。
予定変更。このまま青森市街に降りることを決断した。

 Posted by at 2:02 AM
10月 052016
 

2016 10 05 01

国道341号線は、まさしく山岳ハイウェイだ。
田沢湖からダム湖を横目に山々を貫き、玉川温泉を経て八幡平の麓へ続く数十km。無心で走れる素晴らしい高速ステージ。
ここのところ走っていなかったので、久しぶりに訪れてみたくなったのだ。

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田沢湖も乳頭温泉郷も無視して(笑)、ひたすらR341に食らいつく。
トンネルが連続するダムサイト区間は、頭上から降り注ぐ官能的な排気音に酔い痴れ、これでもかとアクセルを踏み込んでいく。

宝仙湖を通過し、廃墟となり果てた新鳩の湯温泉を横目に、脇を流れる玉川と並走する。
その玉川と別れを告げると、タフな登坂路が始まり、イモムシが寝そべっているかのようなスノージェットが連続して現れる。

気持ち良く走り続けていたのだが、何としたことか、路面は一瞬にしてヘビーウェットに。。

2016 10 05 03

更には、工事による片側交互通行区間も頻度多く出現し、走りを楽しむチャンスは尻すぼみ。後半は我慢の連続だった。

玉川温泉を通過した後、県道23号へスイッチ。
言わずと知れた「八幡平アスピーテライン」。八幡平の頂上付近を通過する、日本有数のスーパー山岳ワインディングだ。
テクニカル系ワインディングコースの中でも、お気に入り度ではかなり順位の高いアスピーテライン。
その魅力は、圧倒的な景観と、目まぐるしく変わるコースバリエーション。走って楽しい長大ワインディングの代表格なのである。

時刻は既に昼を大きく回っていたが、R341での雨がアスピーテラインの路面も濡らしていたおかげ?で、走っているクルマはほとんどいなかった。
その代わり、高度を上げるほどに霧が濃くなり、頂部付近では一寸先も見えないほどの濃霧の中を突き進むことになってしまった。

県境の見返峠から、アスピーテラインをいったん離れて「八幡平樹海ライン」へ。
麓の松川温泉と繋がるこの樹海ラインが、アスピーテラインに代表される八幡平エリアのワインディングの魅力を、一層深いものにしている。
むしろ樹海ラインこそが、八幡平でもっとも走り甲斐のあるコースかもしれない。

2016 10 05 04

見返峠から藤七温泉までの低速コーナー区間をそろりと抜けたら、視界はクリア。ただし路面はウェット。それでも臆せずアクセルを踏み込んで、エンジンの目を覚ます。
中速コーナーが連続する壮絶なダウンヒル。フルスロットルは恐ろしい。だが、過剰なスピードはいらない。荷重移動によるリズムに身を委ねたdriving funを感じることこそが、ワインディングドライブの醍醐味なのだから。

夢中でコントロールを楽しんでいると、あっという間に麓の松川温泉に辿り着く。森の中から、地熱発電所の湯気がもうもうと立ち上っている。
ここで休むことなく、迷わずUターン。お次は逆走、ヒルクライムだ。

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ここまで重力に抗せず転げ落ちるように下ってきたコースは、ハードな登坂路に変貌する。
今度こそは、アクセルを思い切って踏みしめる。S2000は、カタパルトから打ち放たれたかのように、八幡平の山中に向かって猛進を始める。

レッドゾーンに向かって昇天するかのごとく快楽の声を上げるF20C DOHC VTEC
ブレーキングで重心の位置を変えた後、ステアリングできっかけを作ることでコーナリングフォースを得る。
前後重量配分に優れたシャシーは、一連の操作に忠実に反応し、無駄のないラインを辿って滑るようにコーナーをクリアしていく。
再びエンジンに鞭を入れ、リアタイヤを潰さんばかりにグリップを与えながら加速、間髪入れずに次なるコーナーへと飛び込んでいく。

2016 10 05 06

ストレート区間でスピードを楽しみながらも、連続するコーナーでコントロールを楽しむこともできる、素晴らしいコースレイアウト。
それは、ビーナスラインに急激な勾配を与えたかのよう。走りを楽しむドライバーを心底楽しませてくれるのが、八幡平樹海ラインというコースなのだ。

見返峠に到達した後、アスピーテラインを岩手側に下りたが、柏台、松川温泉経由で更にもう一回、ヒルクライムを楽しんでしまった。
残念ながら天候は回復することなく、標高の高い場所では強雨に晒されて、眺望はまったく楽しめなかったのだが、走りは存分に楽しむことができた。
まるで「朝練」スタイルそのままに、遠征で放課後練習したような気分。いやぁ、実に気持ち良かった。

2016 10 05 07

 Posted by at 11:10 PM
10月 022016
 

昨日、仕事帰りにいつものイーグルショップURAWAに寄って、エスを引き取ってきました。
一週間のメンテナンス期間にリフレッシュしたのは足回り。
多走行のオーナーさんなら気になるはずの、コレです。

2016 10 02 01

サスペンションブッシュですね。
人間で言えば、関節に当たる部分(おそらく)。ここの劣化はすなわち、運動性能の低下に直結するので、非常に重要な部分。
特に高温多湿なこの国では、ゴムパーツの劣化は避けては通れません。

今回のリフレッシュは、サスペンションブッシュの全交換です。
それにしても数が多いです。S2000は前後ダブルウィッシュボーン。アームの数も多ければ、サブフレームに接続する付け根の部分も多いわけで、その数はダンパーロアブッシュも含めて計20個にもなります。

さらに、これも有名なハナシですが、S2000は純正ブッシュを単体で購入することができません。アームとアッセンブリーでしか発注・購入できないんです。
なんでだろうという話はさておき、ブッシュ交換のためアームを全数揃えていたら、多大なコストがかかるわけで。
交換しなければならないほどアーム自体は傷んでいないので、ブッシュ単体を交換したいわけですが、そうなったら純正以外を選択するしかない。

そんな時に、真っ先に白羽の矢が立つのは、やっぱり「無限」です。
無限には、S2000発売当初からブッシュ単体での販売設定があります。
更にシビックの頃からそうでしたが、純正よりほんのちょっとゴムの硬度を増しているという、性能面でのバリエーションを提供してくれるのが無限。

しかも、コレが重要なんですが、純正と同じ部品メーカーで製造されているというのが定説です。
その証拠に、純正と見た目がまったく同じ。純正品質で交換するには無限は唯一の選択肢で(あまり大きな声では言えませんが、同様の内容を謳っていたス◯◯ンは、現在では異なる部品メーカーで生産されているらしく、ブッシュ形状が純正と異なるとか)、かつよりシャープな運動性能を求めたい場合には一石二鳥なわけです。

写真は、取り外した純正ブッシュ。17万km走行後のブッシュにしては、非常に健全?でした。
ひび割れもあるにはあるのですが、破断までには程遠い状態で、非常に頑張ってくれたと言って良さそうです。

参考までに、
左上4つが「ダンパーロアブッシュ」、右上上段2つが「リアロアアームブッシュ」、右上下段2つが「リアコントロールアームブッシュ」。
上から3段目が「フロントアッパーアームブッシュ」、4段目が「リアアッパーアームブッシュ」。
下の一番大きなのがフロントの「コンプライアンスブッシュ」、その右側の2番目に大きなのが「フロントロアアームブッシュ」です。

更に、外して初めて知ったことを記しておきます。

・大型のブッシュは、手の込んだ二重ブッシュ
写真だとわかりにくいですが、上から4列目と、下の大きなブッシュのうち右側2つは、ブッシュが二重になっています。
これって一体成型すれば簡単なはずですが、わざわざゴムが二重になっているところに、コダワリが現れているような気がします。

・リアアッパーアームブッシュは、実は純正品
これがなかなか味わい深いんですが、
S2000の04モデル(いわゆる後期)以降は、リアのアッパーアームのブッシュの大きさが、前期とは異なります。(ブッシュだけでなく、両ブッシュ間の寸法も異なるため、サブフレームも異なる)
で、このブッシュだけ、なぜか無限に設定がない。その代わり、まるで申し合わせたかのように、コレだけブッシュ単体で純正に設定があるんです。
つまりリアのアッパーアームブッシュだけは純正品で交換することになります。
ちなみに、後期は挙動がマイルドになったと言われますが、その大きな要因がここにあると思われます。
前期はアッパーアームブッシュの大きさが前後共通で、相対的にリアの許容量が少なかったために、非常にシビアなコントロール性だったわけです。対して後期は、ブッシュの容量を増す変更を受けたことが、マイルドな挙動になった一因と考えることができます。

ブッシュ交換ひとつで、一晩酒が飲めるくらいウンチクが溜まりました(爆
交換後のフィーリングはと言うと、、、これは後日、しっかり見極めてからにしたいと思います。

ところで、今回採用したS2000用無限製ブッシュについてですが、これ、在庫はないに等しいです。
実はブッシュを発注したのは今年に入って間もなく(春頃)。その時点で、イーグルショップURAWAでは5人待ち(!)でした。
入荷連絡を受けたのが、北海道ツーリングの最中(笑)で、実際に交換できたのが先週。(それでも想定よりかなり早かった)

といった具合で、交換作業も大変ですが、それ以前にブッシュを全部揃えるのに非常に時間がかかるのが現状です。
無限パーツはどれもそうですが、在庫はまずないと思った方がよく、それでも生産を気長に待って手に入ればまだ良い方。いつの間にか廃盤になっていて、手に入らないパーツも多いです。
ブッシュもいつまで作ってくれるかわからないので、交換を考えている方は、純正に設定がないだけに、せめてパーツだけでも入手しておいたほうがいいかもしれません。

 Posted by at 10:53 PM